加藤真一blog | B-HOT通信

岡田佳大

昨日は岡田佳大のカルテット。演奏中突然「ベース！」とか「ピアノ！」とか指令が飛ぶ。こっちは予期していないものだから戸惑いつつもアドリブする。これって以外におもしろい。私は音楽を聴いているとき突然驚かされるのは好きなほうだからこういった演奏方法も興味深い。演奏者が自分でびっくりしているんだからおかしい。聴いているほうはさらにびっくりするか？マイルスバンドもメドレーでノンストップワンステージってあったがこれもまた面白い。だいたい曲の紹介やらメンバーの紹介やら無くてもかまわないし、あると白けることもあるし。即興を曲単位、ステージ単位、もっと大きく言えば一日単位でもいいわけだし。とにかく出来上がったものの評価は別として、どう演奏するかどう演奏したかというテーマでは非常にジャズ的である。

2006年4月27日

しばらく書いてませんでしたが、それには訳がありまして、引越しをしました。閑静な練馬。まだ畑がある。やっと落ち着き始めたところ。まだカーテンが無い。

　今日は休みのはずだったが突然トラをたのまれて三鷹のブルームーンへ行ってきました。感じのよいご夫婦のお店。近くにあると寄りそうなとこでした。お相手は浅川太平君。横浜ジャズプロムナードで最優秀賞を獲った。最新のトリオの録音を聴かせてもらったがとっても素晴らしい。ブラッド・メルドータイプではあるが、偶然似ているということか彼には自然なサウンドである。というのも私も彼とは沢山演奏しているし。こういう人材が表に出てこないのはやはりお粗末な日本の文化事情だろうな。どなたか何とかしてくれないものか。

テオ・安田デュオ

　昨日は、テオ・ブラックマンと安田芙未央のデュオを聴いた。見た。ハイセンス、ハイテクニック。納得のパフォーマンス。チャージ￥1500。これが日本ではほとんど知られていないのだから、日本ではいかに芸術活動が難しいかということです。まあ何処行ってもいっしょだとは思うけど。私のこの夜の一番の収穫は、彼らの水準の高いアートがスタンダードを取り上げることで一般に受け入れられやすくなることを知ったこと。だからといって彼らのスタイルは変わらないこと。それと歌伴の表現テクニックも学びました。安田は凄い。凄いなあ。感心。テオも以前に増して余裕を感じる。トータルなヴォイス・パフォーマーとしては天下一品。きっとメレディスのバンドなんかでいろいろつかんだんだろうなあ。ボビー・マクファーリンも好きだけどテオももっと売れてもいいよね。性格もいいし。チックとボビーもいいがテオと芙未央も同じくらいいいです。明日は彼らとレコーディングだ。よーし！

中島義道

中島義道って知ってます？ある日ＮＨＫラジオを聞いていたらゲストでしゃべっていてなんとなく好感がもてたので著作を買いました。なんとなく好感というのはその話し振りが京都の友人に似て思慮深い感じで優しかったから。しかし書いていることはとっても力強い。そのとき紹介していた本「私の嫌いな１０の言葉」とても面白かった。ので、 中島義道の著作ほとんど読みました。先日また新刊を買ってしまった。哲学者です。妻は「こんなヤツ大嫌い！」です。中島さんは大嫌いと言われると喜ぶような人らしいので中島さんにしてみれば至極当然な反応なのでしょう。

　哲学なんてカントとかフロイトだのユングだの、私には程遠いものでしたが、ずいぶん楽しいもんだと知りました。「ソフィーのなんたら」とかも読んだけどおもしろくなく、キース・ジャレットが読んでいるなんとかさんの（忘れた）本も読んだけどあたりまえだなあと思っただけでそれほどでもなく、でも中島はおもしろかった。昔、好きなベーシストで客をつかまえて禅問答をする国仲勝男という人がいてこちらも相当おもしろかった。　でもこれだけ何冊も読むと疲れてくるけど、書いてる本人はもっと疲れているんだろうな。あははは。私の知人の息子も哲学科を専攻したらしいし、この方面も楽しみがふえた。哲学者も変な人種だ。我々といっしょですね。中島義道、お勧めはしませんが興味がわいた方はどうぞ。何冊かは超まじめに哲学を解説しているのでそうじゃないほうがいいです。決してお勧めはしていません。