ピアニスト3人と演奏した。
ピアニストとはお付き合いが最も多く、またそれぞれ個性的で面白い。
一人目はスガダイローで、当日インフルエンザにかかっていて最悪のコンデ
ィションだった。なるほどこれが本当に最悪なんだなあと思った。何せ遅れて
きた上に演奏しているとき意外はテーブルに突っ伏して口もきかない。その
割りに演奏はしっかりしていて「プロだなあ」と感動しました。
私も客もうつされるのではないかとそれなりの緊張をみせ、ダイローがいつ
くしゃみをしてもいいように飛びのく準備をしながら見ていた。私は一応言い
だしっぺなので覚悟して、いつ接吻されてもいいようにって、するか!
演奏内容は、ビバップだけれども、途中から変な具合になる。これが面白く
てやっているのだが。さてお客さんはどう思ったか。
ちなみにこの組み合わせはCDになって、6月18日発売される。めでたし。
二人目はクリストフ・サンガー。ドイツのピアニスト。残念ながら日本では無
名だが、日本のピアニストで比較するとトップクラスに入る腕前です。
その演奏はというと饒舌である。ギターのパット・マルティーノに近いな。マイ
ク・スターンにも似てる。ところがある。こう言うと反発を喰らうが、私がそう思
うのであってしょうがないんだもん。
クリストフ・サンガーとは毎年一度、5年間は演奏している。どうやら奴も私
のことは気に入っているようだ。CDもいっしょにやったものが2枚ある。でもい
つもトリオでデュオは初めて。
演奏内容はスタンダードとオリジナル。楽しかった。お客も楽しんでくれたと
思う。値段の割りに上質よ。
三人目は隠しだまというか切り札というか、安田芙充央。
昔のジャズを知る人は名前を聞いたことがあるかもしれないが、その昔ジャ
ズとは潔く縁を切ってきっぱり辞めて現代音楽作曲家となった御仁である。
ジャズ界にいるとどうしても馴れ合いになってしまう傾向があるということを
誰も否定は出来ないと思うが、そこをああそうですかとばかりに辞めますとい
うのは誰でも出来るわけではない。出来たところで、その後の音楽はどうなん
だというところでしっかりやっているというのがスごいっす。
私はAKIちゃんを通して知り合ったが、アラキネマの作品に何度か使ってい
ただいてその人となりを知った。
演奏内容はスタンダードとオリジナル。オリジナルに重きを置いた格好とな
ったが、スタンダードも独自の解釈で非凡。
残念ながらこういった音楽は酒を出す店ではなかなかうまくプレゼンテーシ
ョンできず、こういった形でしかライブが出来ないのが残念である。
やはり日本はまだまだ文化的発展途上という感が否めない。
ちなみに安田さんは今年4月17日にトリオ活動を開始することになっており
ます。必見。
ということでご来場の皆様には心より感謝いたします。
いずれCDにするとかして世に問う音楽であるとは思っております。貧乏では
ありますが、つめに火をともすつもりでお金を貯めていつかは、いつかは。